「日本という国で、子供2人を育てる適正年収をレポート」tというブログ記事を見ました。
私にとっては色々と気付きがあってとても面白いエントリだと思いました。
また、「住宅金融支援機構・資金計画シミュレーション」なるものをこのエントリで知ったのですが、これもなかなか面白い。
この手のシミュレターとしては設定項目が豊富でなかなか使えます。
これをいじっていると、僕もこのシュミレター使ったパクりエントリ上げて、この祭りに便乗したいなと言う思いがふつふつと...
僕は逆に、これからの日本で多数派となる、契約社員や派遣社員など非正規就労者が結婚して子供をどんな風に育てることが可能かをシミュレーションしてみました。
その結果、少なくとも首都圏ならば
「親が非正規雇用でも子供二人を大学にやれる」
という結果が出ました。
非正規雇用でも子供が育てられるということが分かれば、結婚の数自体も増えて、少子化の歯止めになるんじゃないかと思って書きますよ。
まず、収入からです。
「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、「正社員・正職員以外の者」の全国平均月収は20.5万円です。 年収にすると246万円になります。
雇用形態を問わなければ全国平均月収30.4万円なので、非正規雇用は賃金安めなのは確かです。
ただ、県別で見ると全国平均月収30.4万円に比べて、東京都では平均月収38.3万円と3割近く高いので東京で働くことを考えると非正規でももう少し高いのかもしれません。
シミュレーション上は冷酷に
- 年齢30歳
- 年収250万円
- 昇給ゼロ、永遠に250万円
- 退職金なし
- 預金150万
にしてみました。当然65歳まで働いてもらいます。
更にボーナスあり設定にしてしまったので、月の手取り14万という状況に。
そして配偶者ですが、さすがに専業主婦はどうなのと思ったので、同い年でやはり年収250万円昇給ゼロの条件とし、非正規カップルで子育ては果たして出来るかを調べます。
「住宅金融支援機構・資金計画シミュレーション」はローンのシミュレターなので、住宅は買わなくてもいいと思いますが一応買うことにします。
頭金になる貯金が150万円しかないので、残念ながら2000万の物件しか買えません。
それでも浦和あたりであれば、55m2位の築30年リフォーム済みの物件が買えるようです。
引用:SUUMO
諸費用入れて2200万弱の支払いがシミュレーションでは計上されています。
修繕積立金や管理費や固定資産税の支払いもカウントされていますが、これらも入れて考えると、賃貸で家賃10万円相当の部屋に住むのと大体同等のシミュレーションだと思っていただいてもいいかと思います。
子供は0歳の赤ちゃん一人と3年後にもう一人生まれる設定にします。
学校は私もそうでしたが完全公立ルートで育てます。 大学も国立に自宅から通学します。
東大~埼玉大まで通える学校はデキに応じて結構チョイスはあります。高崎経済大や宇都宮大学も浦和から通えなくはない。
小学から高校の費用ですが、公立小で年間32万円カウントしているので、給食費等払っても塾や習い事も十分可能ですから大学受験もこれで普通には対応できるはずです。
共働きなので幼稚園でなく保育園になると思いますが、年収これ位なら年22万もかからないと思います。通う期間は長くなると思いますが。
認可保育園に入れないといいますけど、あれは本当なんですが、実は東京の一部の区の話です。
埼玉や千葉神奈川の大部分なら、夫婦でフルタイムならまず大丈夫だと思いますよ。
次に支出ですが、 生活費月20.1万というデフォルト条件です。
この生活費は住居関連支出とは別ですから、割とゆとりある方じゃないですか。
私も多分こんなに使っていません。
車はありません。浦和なら要らないと思います。
カーシェアとかもありますし。
そして年に一度は旅行で10万位は使いましょう。
ローンの団信もありますし、生命保険はいらないですね(私も入っていません)。
この条件のPLシミュレーション結果です。
全く折れていない折れ線グラフですがこちらが手取り収入で見事にずっと430万ほどです。
それでもけっこう黒字の年が多くないですか?
実際には非正規の場合産休や育休の間は無給になることが多いと思うので、二人目出産前後は手取りで100万程度は減収になるとは思いますが。
BSでもみましょうか
貯蓄も結構できるはずです。65才で1000万以上は貯まっているはずです。
これなら多少育休産休しても大丈夫ですね。
どちらか一人が私大に行ったり大学院に行っても吸収できそうです。
65才で貯蓄1000万は、心細いという方には心細いと思いますが、困ったときに助けてくれるかもしれない子供が二人いるというのは、多少貯金があっても単身で老いるより少し心強いのではないでしょうか?
貯金などインフレになればどんどん目減りしていきますし。
あと多くの人は自分が60代で80代の親が亡くなり、相続をすることになると思うので、貯蓄少なくても大丈夫な可能性が実は高い気がします。
そして、このシミュレーションに入っていない項目として
- 児童手当が中学生まで一人毎月1万以上もらえる。
というのもあります。
また、今時大学行くのにJASSOの奨学金借りるというのは普通なのでこれは借りたほうがいいと思います。
極端に年利が安いので、あれは借りたもの勝ち。大学まで行く特典ですよ。
奨学金借りて、その分住宅ローン繰り上げ返済するといいのではないでしょうか。
そうするとさらに余裕が出ます。
結論としては、
「親が非正規雇用でも十分普通に子供を大学にやることは可能」
「そのためには共働きは必須。でも世田谷に住まなければ保育園は入れる」
そのための提案としては
「非正規同士の結婚を親は認めよう。正社員なんて今時レアポケモン。」
「非正規夫婦で仲良く頑張ろう。子供が幸せになる条件は、金よりも家族仲がいいこと」
多少経済的なゆとりがなくたって、みんなで仲良く苦労したほうが、一人で淋しく貯金するより楽しいのではないかと思うのですがどうなんでしょうか。
地方だと、所得レベルが下がりがち、車が必要、地元に大学が少ないという難点はありますが、不動産価格は安いので、子供が地元の大学に行くならば更に楽になる可能性はあります。
一方子供を東京の大学に行かせたい場合は費用が掛かりますが。
この試算、あってますよね?