平成32年度から、大学入試制度が変わることになっています。
次は「センター試験」がなくなり「大学入学共通テスト(仮)」になるらしいのです。
この話は、大学入試改革として文科省で何年か前から議論されてきている話で、当初は夏から複数回受けられるようにするとか、記述中心にするとか色々ありましたが、結局英語を除けば、国、数で多少記述が出される程度で今とあまり変わらなくなりそうです。
しかし、英語だけは大きく変わるっぽい。
これまでのセンター試験で問われてきた、「読む」、「聞く」に加えて「書く」、「話す」も問うようにするという話は最初からあり、一度に何十万人も受けたらそんなの採点絶対できないよねと思っていましたが、結局TOEFL等民間の試験のスコアを使うという方向に落ち着いたようです。
で、どこの試験使うのというところですが、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages;ヨーロッパ言語共通参照枠)という色々な英語の試験の点を共通でランク付けする枠組みがありまして、各受験者の得点をCEFRのランクとして大学に伝えるようにするらしいです。
このため、受ける試験は英検でもTOFELでもIELTSでもTEAPでもいいようです。TOEICはR&LだけでなくS&Wも受ける必要があるようですが。
このCEFRへの主要テストの点数換算は以下の様になっています。
上の方が上級なのですが、刻み6つとが割と荒いですね。
英検 | TOEFL iBT | IELTS | TEAP | |
---|---|---|---|---|
C2 | - | - | 8.5-9 | - |
C1 | 1級 | 95-120 | 7-8 | 400 |
B2 | 準1級 | 72-94 | 5.5-6.5 | 334-399 |
B1 | 2級 | 42-71 | 4-5 | 226-333 |
A2 | 準2級 | 3 | 150-225 | |
A1 | 3-5級 | 2 |
これだとTOFEL満点でも無理なC2はもちろん、英検1級、TOFEL95点を要求するC1も高校生にはかなり厳しいでしょう。
このレベルだと並みの帰国生でも簡単ではなさそうです。小学生では知らない単語も沢山要求されるので、小学生で日本に帰国してしまうと知らない単語が沢山出てくるはずです。ウチの子たちのような純ドメは言わずもがな...
その一方で、英検2級、TOFEL42点のB1はそこそこの大学の志望者ならさすがにみんな取ってくるでしょうから、刻みは6つあるものの、英語の成績は実質的にB2かB1の2段階評価になってしまうと思います。
一点の差で決まる受験はおかしいと言って始まった大学入試改革の議論ですが、TOFEL71点と72点の1点差で、全然違う進路になりますねこれは!
3年生の4月~12月で2回受けられるようなので、早目にTOFEL42点取れたらもう英語は捨てて他の科目を頑張るか、もっと頑張って72点目指すかは悩ましい所でしょう。
あとは検定料がかかることも問題ですが、それよりもこれら民間試験の対策は高校の先生には多分出来ないであろうということが問題です。
少なくとも検定教科書でB2を狙える勉強をすることは不可能ですし、TOFEL対策の授業を入れられる余裕は少なくとも土曜休みの公立にはないのではないでしょうか?
つまり、大学行きたければ塾に行けということです。
塾業界には大きなビジネスチャンスになるでしょう。但し、既存の塾勢力に加え、民間試験に経験を持つ英会話学習方面などからも参入があって激しい競争になるでしょう。地方の高校は間違いなく不利でしょうね。民間試験はある程度の都市でしか受けられないので受けるのも大変ですし、地方に能力の高い民間塾が進出するとは思えない。
英語は時間さえかければ上手くなるので、早いうちからはじめて、B2の英検準1級レベルに仕上げたいですね。
また、教科書はそこそこに、民間試験対策を授業で行える学校は有利になるでしょうね。