テレビのニュースで韓国の大学入試の話などを見ていて、ソウル大と東大とどっちが入るの大変なのだろうか?と、ふと思いました。
何をもって入るのが大変か?という基準は色々ありますが、すごく単純に
1学年人数÷18歳人口
の倍率で、東アジア各国No.1大学の門の狭さというかセレクションの厳しさを比較してみます。
まずは各国の18歳人口の算出ですが、こちらは、労働政策研究・研修機構のデータブック国際労働比較2012に、各国の2010年の15~19歳人口の数字があるので、これを5で割って概算18歳人口とすることにします。
次に1学年人数なのですが、各国のNo.1大学の学部学生数を4で割ったものを定員としてみます。
それでは結果発表です。
日本代表:東京大学(THE世界大学ランキング2018 46位)
まずは基準として皆様ご存知の東大です。
東大さんはこのやり方だと1学年人数が3500人です。ちょっと多いんじゃないと思いますが留学生を含んでいる数字でこんな感じです。留年組も少しいますかね。
日本の概算18歳人口の方は1,171,800人ということになります。少ないなー。
これで割り算すると
3,500÷1,171,800=0.30%
と言う結果です。
330人に1人位ですから、公立小の9クラスに1人東大に行く位の感じですね。
しかし東大さんTHEの世界大学ランキング順位が毎年下がっていく...シンガポールや香港だけでなく中国大陸の大学にも離されていきますね。頑張ってくれ。
韓国代表:ソウル大(THEランキング2018 74位)
次は韓国で1番の大学ソウル大学です。
ソウル大は1学年人数が4128人。東大より少し多いです。
韓国は概算18歳人口が685,600人。
これで割り算すると
4128÷685,600=0.60%
になります。門の狭さで言うと東大の倍位には広いと言うことになります。
韓国は受験競争が厳しすぎ、塾の費用など教育費がかかり過ぎて、そのおかげで少子化。という日本と同じ話が更に激しくなっているので社会的に問題とされているようです。
このため大学が推薦入学を拡大しており、実は今ではソウル大も定員の半分以上が推薦入学でほぼ内申書で決まるらしいです。このため受験で入る倍率としては東大とそんなに差がないかもしれません。
シンガポール代表:国立シンガポール大学(以下NUS。THEランキング2018 22位)
国立シンガポール大学は世界大学ランキングではQSでもTHEでもアジアNo.1にランクされる大学です。
NUS - National University of Singapore
NUSの1学年人数は6848人。ちょっと多めです。
そしてシンガポールは概算18歳人口が73400人。都市国家なので少ないですね。
割り算すると
6848÷73400=9.33%
これだと国民の10人に1人はNUSに行く計算になってしまうので、セレクションの厳しさで言えばガバガバということになります。
留学生比率が15%位あるのでその分1学年人数から引いたとしても7.9%位ですから小学校のクラスに3人くらいは居る感じで、東大やソウル大に比べるとずいぶん楽です。
大学進学率50%とすれば、進学希望者の16%ほどはNUSに行けるという計算になるので偏差値で言えばせいぜい60位で入れることになります。
NUSでこの程度なら南洋理工やSMUの学生ってどんなレベルなんでしょうか?
しかし、NUSはTHE世界大学ランキングではアジア1位の世界22位で、東大やソウル大より全然上ですからお得感があります。QSのランキングでは世界15位でイエールより上と言う...
おそらく、学部は門が広くても、大学院は出来る先生と院生を集めているのではないでしょうか?また、入るのは楽でも卒業が厳しいのかも。
以前、NUSを見に行ったことありますがめちゃ広かったです。広い東大本郷の3倍ほどあるらしいですね。ここの学食はシンガポールNo.1フードコート説があるほど、デカく、店も多く、味もコスパも良かった。
キャンパス内に博物館もあり行ってみると楽しいかもしれません。
台湾代表:台湾大学(NUS THEランキング2018 198位)
台湾大学の1学年人数は4124人。ちょっと多めです。
そして台湾は概算18歳人口が319,482人。台湾の人口だけ台湾のサイトから引っ張りました。
割り算すると
4124÷319,482=1.29%
となります。
NUSほどではないですが、東大やソウル大よりは緩いですね。それでも77人に一人ですから十分難関ですが。
ここも広くて、日本占領下で作られた元は旧帝大なので古い建物もカッコよくなかなか良い雰囲気の大学でした。
中国代表:北京大学(THEランキング2018 27位)
北京大学の1学年人数は3644人。
そして概算18歳人口が驚きの21,069,060人。日本を含め他の国とはまさにケタが違います。
割り算すると
3644÷21,069,060=0.017%
となります。
この中では少なめの定員&桁の違う人口で、驚異的な狭き門ぶりです。北京大学に行くのは6000人に1人くらいでしょうか。日本でいえば東大理三級のセレクション。
これはどうにもスーパーエリートです。めっちゃ出来る奴が揃っていそうです。
そうは言っても近所のライバル校精華大(THEランキング2018 30位)をこの計算に入れないのも問題だと思うので北京+精華の2校合算も出しましょうか。
これで行くと精華大学の1学年人数は3568人なので足して7212人になります。
割り算すると
7212÷21,069,060=0.034%
足してもこんなものなのでやはりケタ違いの入りにくさです。やっぱりヤバい!
上海交通や南京、復旦などをどんどん足して言ってもせいぜい他国と何とかケタが揃う位ですね。
中国の大学は世界ランキングぐんぐん上昇中ですが、これはめっちゃ出来る奴が集まっているに違いない。
NUSや香港の大学と違い、中国の大学の留学生比率は高くないので、研究や引用でガチンコ勝負してランキングを上げていそうです。中国はサイエンスに予算をふんだんに付けるので研究費はあるのかもしれませんが。
5校まとめるとこんな感じです。
北京+精華はグラフが見えません。マジけた違いだし。