浅野中学、高校の2016年の大学進学実績を戯れにまとめてみました。
この浅野は、1回だけしか入学試験がないのに、1800人以上の出願がある大人気男子校です。
複数回入試を合計すればもっと出願者累計が多い学校もあるでしょうし、公立中高一貫も同じくらい受けるところもありますが、1日の出願数、受験者数で考えれば私立中高では最大級じゃないでしょうか。
なぜこんなに人気があるかですが、 まず、試験が2月3日にあること。 そして横浜のちょっと東京寄りにあるのが効いていそうです。
1日の開成、麻布、駒東とも併願できるし、
2日の栄光、聖光とも併願出来るという八方美人ぶり。
レベル的にやはり2月3日の筑駒とは棲み分けて、男子校なのでこれも3日の公立中高一貫とも競合しない。
試験問題もオーソドックスなので特に対策をしなくても地力で勝負できるというのも併願にはありがたいという理由もあって受験料ビジネス的にはもっとも成功している学校。
マーケティングの教科書のようです。
それで本題の大学合格実績ですが、2016年が
東大 30 (内現役25)
卒業生267人なので、11%の東大率。
聖光が31%、栄光が32%の東大率だったので、神奈川御三家と言われますが結構差があります。
しかし、東大合格者の現役率は83%となり、聖光の80%、栄光の72%より高い数値となります。
東大の合格数は2015年が40名なので、昨年よりは減らしていますが、10年前の2006年には14人ですから長期的には上昇傾向にはある気がします。
次に、京大、一橋、東工大の合格実績を見てみます。
京大 3 (内現役1)
一橋 23 (内現役16)
東工大 28 (内現役23)
東大+京大+一橋+東工大合計では84人、卒業者に対する率では31%となり、栄光聖光の東大率と並びます。
東工大合格者が全国1位、一橋で2位のようです。特に東工大は現役比率高いですね。
一橋も東工大も多いので、この4校合計合格者数では全国で14位となります。
国立医学部はどうでしょうか?
国立医学部医学科計 14人
全国で27位みたいです。これも栄光24、聖光21と比べると少し差があります。
東大京大の医学部合格者はいないので
東京一工+国公医学部計 98人
これで36.5%。生徒の4割弱はここまでに収まるものの、真ん中の生徒は惜しくもここには届かないというイメージ。
すると、ここに届かない真ん中の生徒はどこに行くかというとやっぱり早慶。
このため、
早稲田 154(内現役105)
慶應 155(内現役117)
というすさまじい合格数です。
早慶合わせると卒業者数を軽く超えますからみんな受けて、みんな受かるんでしょうね。
慶應合格者数で全国3位。
ちなみに理科大も98人。
浅野の合格実績の特徴は、東工大や早慶の現役合格数がかなり多いことです。
東大志向が強いうえ現役であまり私学を受けないっぽい筑駒や栄光とはかなり違う傾向の学校です。
現役で行ける学校に行く志向が強いようで浪人はそれほど多くなさそうです。
妥協上等文化といいましょうか。
もっと東大志向が強くて、現役ではダメ元で東大しか受けない!という浪人上等文化になれば東大合格数はもっと伸ばせると思いますが、東大だけが大学じゃないのでこれは考え方次第。
現役東工大が23人いますが、もし彼らが浪人して古文や漢文ちゃんとやれば翌年半分以上は東大に行くのではないでしょうか?
更に現役一橋組も浪人すれば、東大合格者をもっと増やせる可能性十分と思いますが、そうしないのが文化なのでしょう。
公務員以外なら、東大でも東工大でも大して差はなさそうですし、東大への執着が少ないのはむしろ健全とも思います。
その一方で、行きたい学校めざして浪人しても頑張るというのも美しい。
浪人しても東大を目指す環境を選ぶか、なるべく現役で受かったところに行く環境を選ぶかですが、どっちもいいと思います.。
以前この学校の文化祭に行ったことがあるのですが、図書館の雑誌コーナーの一番目立つ場所に「会社四季報(それもA4のデカイ方)」が置いてあったのが個人的にはツボで好感度高いです。流石実業家が創設者の学校です。
残念ながら凡才のうちの子には多分関係ない話だと思いますが...
栄光と聖光の大学合格者分析も書いていますのでこちろもご覧ください。